
Shigeyoshi Hanazawa花澤 重佳
製品を作る上で特に意識していることは、個体差の少ない安定した品質を保つこと
革の魅力は、その人だけの風合いに育っていくこと
両親が革小物の製造に関わる仕事をしていたので、子供のころから周りには革があり、自然と革に惹かれていきました。
修理の際、お客様からお預かりした製品を拝見すると、長年丁寧に磨き上げられたもの、使う人の癖が革に刻まれているものなど、使う人の使用環境や手入れの仕方などでそれぞれ違った育ち方をした革を見ると、やはり革の魅力は無限大だなと思いますね。
安定した品質をお届けしたい
製品を作る上で特に意識していることは、個体差の少ない安定した品質を保つということです。同じ材料で同じ製品を作っても、縫い合わせる前のパーツにはそれぞれ微妙な差が生まれます。そのためその差を考慮して作ったのとそうでないのとでは、品質に差が生じてしまいます。
その差をいかに抑え、個体差なく仕上げていくかを常に試行錯誤しています。
細部に施される繊細な職人技
好きな技法を聞かれ最初に思い浮かぶのが、「菊寄せ(刻み)」という技法です。財布などの丸みのある角の部分に必然的に寄ってしまう革のたるみを、扇形に均一に寄せ合わせまとめる技術です。
この技法は職人の技術を見るうえで、特に差が出る技法だと感じています。だからこそ、挑戦し続け極めていきたいと思っています。
学び続ける覚悟
職人は一生涯勉強であり、自分の手掛けた製品や技術に満足してしまったらいけないと言う話があります。なので、基本を忘れず、伝統的な技法を大切にしながら、新しい技法にも挑戦し続けることが自分の学びや成長につながると思っています。
また、自分の技術向上だけでなく、若い人たちの技術向上にも力を尽力できるよう学び続けていきたいと思います。
